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特集 若年者癌診療の実際
若年者大腸癌の特徴と治療成績
Colorectal cancer in young patients
下山 孝俊
1
,
石川 啓
2
,
草野 裕幸
2
,
清水 輝久
2
,
中越 享
2
,
富田 正雄
2
Takatoshi SHIMOYAMA
1
1大洲市立大洲病院外科
2長崎大学医学部第1外科
pp.1363-1368
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900674
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若年者大腸癌の特性と予後を知るために,最近の報告から40歳未満症例を中心に,自験例と内外の文献を集録して検討した.発生頻度は全大腸癌の2〜11%で男性がやや多い.家族内発生は全大腸癌の0.7〜8.0%,うち遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(HNPCC)は1.2〜5.6%で,若年者で右結腸に多く,多発傾向が強い.病理学的には潰瘍浸潤型で垂直方向進展を示す症例が多かった.粘液癌は5.9〜44.4%にみられたが,生物学的悪性度に関しては細胞核DNAの解析からは得られていない.進行癌(Dukes C+D)は53〜77%,治癒切除率50〜83%,治癒切除例の5生率は30〜100%,本邦では70%以上で非若年者と差はない.これらの特徴を配慮した早期診断,早期手術の必要性を強調した.
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