特集 術前・術後管理 '91
D.特殊病態患者の周術期管理
血友病患者の周術期管理
石山 賢
1
,
渡邉 千之
1
1自衛隊中央病院外科
pp.80-81
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900568
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■血友病患者の術前チェック■
血友病A(Ⅷ因子欠乏症),および血友病B(Ⅸ因子欠乏症,Christmas disease)は伴性劣性遺伝病で,原則的には男性のみにあらわれる病気であるが,突然変異があり,女性にも存在する.頻度はAが2万5千人に1人,Bが10万人に1人ほど,ということになっているが1),その他の先天異常の,V因子欠乏症(パラ血友病,あるいは血友病C,本邦で30人くらいといわれている),XI因子欠乏症(Rosenthal症候群,ユダヤ人に多いという),Ⅶ因子欠乏症,Ⅹ因子欠乏症,遺伝性低プロトロンビン症,遺伝性フィブリノーゲン異常症,von Willebrand病(偽血友病),ⅩⅢ因子欠乏症,α2—Pl欠乏症などとともに関係諸施設,研究者の努力によってどんどん発見され,実状はもっと患者数が増えている可能性がある.
血友病A,Bについては,臨床的にはほとんど区別がつかない2).以下,この2つについて主に述べる.
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