特集 術前・術後管理 '91
G.術式別の術後管理
人工肛門造設術
上谷 潤二郎
1
1東京逓信病院外科
pp.180-181
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900609
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■術後第1週目■
1.補液
左側結腸人工肛門造設の場合は,通常他の消化器手術患者と同様2,000〜2,500 mlの維持液の輸液を行い,1,000〜2,000 mlの尿量を得るようにする.回腸瘻造設の場合は,大腸が摘除または空置され水分,電解質の吸収能が低下するので,排泄された腸液にみあった量の水分と電解質を補う.
2.経口摂取
Kock式回腸瘻やcovering ileostomy, colos-tomyを除いて腹腔内に腸管吻合がない人工肛門造設術後は,排ガスを認めた後流動食から開始する.2日ごとに五分粥,全粥と進める.腸吻合を伴う手術の場合は,術後3日目以後,下熱,白血球数の正常化傾向,腹部症状を診察し流動食から開始,1〜2日に三分粥,五分粥,全粥と進める.Kock式回腸瘻では低残渣食とする.
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