手術手技 乳幼児の手術手技・1
人工肛門造設術
森田 建
1
,
東 悦雄
1
1日本大学医学部若林外科
pp.220-224
発行日 1966年2月20日
Published Date 1966/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203894
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
乳幼児に対する手術手技の上で,成人と異なり注意すべき点は,愛護的な丹念な操作を必要とすることである.往時は乳幼児の手術においては時間の短いことが必要と考えられ,とかく乱暴なあるいは粗雑な操作に走り勝ちであつたが,現在の進歩せる小児麻酔や術前術後の管理によつて,時間のみにこだわることなく,愛護的な確実な手術操作を行なうことができるようになつたのである.患児が幼児・乳児・新生児と幼若になるに従つてその組織や臓器はそれだけ繊細かつ脆弱となるものであり,それに応じて手術手技もより愛護的に,より細心なことが必要となるのである.これは単に執刀者のみの心懸けでできるものではなく,手術に携る全員が理解し注意することによつてはじめて可能となるのである.
手術器具としては,摂子,鋏,各種の鉗子など小児のものがあれば便利であり,ことに新生児や幼若乳児などでは成人の手術器具は不便で副損傷の危険もあり,小型の器具を用いるべきである.最近は小児外科用の小型手術器具が市販されており,容易に入手しうるようになつている.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.