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特集 熱傷治療のトピックス
熱傷の病態解析の進歩—熱傷ショックの病態を中心として
Pathophysiology of bum shock
相川 直樹
1
,
堀 進悟
1
,
篠澤 洋太郎
2
,
若林 剛
3
Naoki AIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部救急部
2慶應義塾大学医学部外科
3川崎市立川崎病院外科
pp.789-796
発行日 1991年7月20日
Published Date 1991/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900463
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近年の熱傷患者の治療成績向上は,熱傷後に起こる種々の病態の理解に基づいた治療法の開発に負うところが大きい.熱傷ショックは,熱傷創における血漿成分の血管外漏出による hypovolemia とhemoconcentrationが主要因であるが,フリーラジカルなどが関与する心筋機能障害も熱傷ショックの要因となる.熱傷後早期にはカテコールアミン,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン,バゾプレッシンなどのストレスホルモンの作用により,血管収縮,乏尿がみられるが,同時に心房性ナトリウム利尿ホルモンの分泌も亢進し,ストレスホルモンの作用と拮抗して,腎臓,肺の保護作用をつかさどるとともに,利尿期における水,ナトリウムの排泄に関与している.
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