Japanese
English
特集 熱傷治療の進歩
熱傷患者に対するリハビリテーションの進歩
Rehabilitation for burn survivors
木村 雅彦
1
Masahiko KIMURA
1
1杏林大学保健学部理学療法学科
キーワード:
熱傷
,
早期リハビリテーション
,
ADL(日常生活活動)
Keyword:
熱傷
,
早期リハビリテーション
,
ADL(日常生活活動)
pp.1243-1247
発行日 2022年3月19日
Published Date 2022/3/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280121243
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
今日の集中治療におけるリハビリテーションには,そのアウトカムとしてとくに高齢者の入院前の機能とADL(日常生活活動能力)を早期に再獲得させることのみならず,後遺障害を最小限にとどめて早期の退院を達成し,かつその後の再入院を抑制する二次予防を企図することまでが求められている.したがって,究極の侵襲である熱傷患者においても,早期に全身管理を離脱して消耗した体組成と体力とADL能力を回復し,瘢痕拘縮の成熟に拮抗して運動機能を改善し,適切な継続治療によって障害の最小化と二次予防に努める必要がある.日本熱傷学会による「熱傷診療ガイドライン(改定第3版)」において,はじめてリハビリテーションの項目が設けられ,拘縮予防(エビデンスレベルⅣ,推奨度C),早期離床と運動療法(それぞれエビデンスレベルⅡ,推奨度B)ならびに急性期体位管理の意義が取り上げられた.治療技術や材料の進歩を得て熱傷治療が進歩するなかにあって,リハビリテーションも臨床における熱傷治療の柱のひとつとしてさらに充実させる必要がある.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.