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特集 熱傷治療の進歩
熱傷創に対する感染対策の進歩
Advances in infection control for burn wounds
海田 賢彦
1
Yasuhiko KAITA
1
1杏林大学医学部救急医学
キーワード:
感染制御
,
銀イオン
,
抗菌性創傷被覆材
,
包帯交換
Keyword:
感染制御
,
銀イオン
,
抗菌性創傷被覆材
,
包帯交換
pp.1227-1230
発行日 2022年3月19日
Published Date 2022/3/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280121227
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近年,創傷被覆材の進歩は凄まじく,なかでも銀含有創傷被覆材は抗菌作用を有することから,熱傷創に対する局所の感染管理において主要な役割を担っている.銀イオンのもつ抗菌効果は細菌,真菌に対して発揮され,また耐性も生じにくいことから,熱傷診療における感染制御の観点から非常に有意義なものとなっている.最新の熱傷診療ガイドラインにおいて,Ⅱ度熱傷の局所治療に銀含有創傷被覆材は推奨されているが,実際の熱傷診療において銀含有創傷被覆材は,保存的に経過をみるⅡ度熱傷の創部と手術を施行した熱傷創部に対する局所感染制御において有用であると考える.さらに従来,熱傷創の管理は創の細菌数を減少させるべく連日の洗浄,包帯交換が基本戦略であったが,銀含有創傷被覆材の導入により局所の感染制御だけでなく,ドレッシングの交換頻度が減少することにより医療スタッフおよび患者の負担軽減にもつながっている.
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