Japanese
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特集 乳房温存療法の実践
乳房温存療法の適応と実際—私たちの術式
Breast conservative treatment for early breast cancer: Our indications and surgical procedures
霞 富士雄
1
,
岩瀬 拓士
1
,
吉本 賢隆
1
,
渡辺 進
2
,
秋山 太
2
,
坂元 吾偉
2
,
山下 孝
3
Fujio KASUMI
1
1癌研付属病院乳腺外科
2癌研究所病理
3癌研付属病院放射線科
pp.289-298
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900389
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たとえ乳癌であって治療は受けるにしても,乳房を失って悲しまない女性患者はいないであろう.乳房温存法はこの要求に応えるものとして欧米で古くからいろいろなものが工夫発表されてきたが,1970年代の後半に至って原発巣を局所切除して腋窩郭清を行い,創治癒後に残存乳房に障害の起こりにくい線量の放射線照射を加える乳房温存療法として定着した.
わが国では,乳癌の頻度の低さからも,文化史的な面からも乳房温存法に対する社会的・医学的要求は少なかったが,近年の欧米の報告に接し,漸増する乳癌患者の声も起こり始め,乳房温存法に対する眼も開かれて来ている現状である.しかし,日本では放射線照射の歴史は浅く,乳房温存療法と共に手術だけで温存を解決する乳房温存術式も行われている.
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