病気のはなし
乳癌
松山 孝子
1
,
岩瀬 拓士
2
,
吉本 賢隆
2
,
渡辺 進
2
,
霞 富士雄
2
1名古屋大学医学部第二外科
2癌研究会附属病院乳腺外科
pp.184-189
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901420
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サマリー
わが国の乳癌罹患率が増加している.乳癌は,他と比べて予後の良い癌であるが,再発率,死亡率は減少しておらず,侮れない疾患である.
乳癌の早期診断は,再発率,死亡率を減少させるためのみならず,quality of lifeの向上,すなわち美容面をも考慮した乳癌の縮小手術を行うために重要である.最近,わが国でも乳房温存療法が取り入れられ,今まで以上に正確な癌の広がりの診断が必要とされてきている.一方,乳腺腫瘍の良・悪性診断を目的とする不必要な生検を避けるため,より正確な触診,および諸検査による質的診断が要求されている.早期発見と正確な診断が乳癌治療成績の向上に必要と考えられる.
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