膵臓手術の要点—血管処理からみた術式の展開・7
慢性膵炎に対する膵頭部切除兼残膵神経叢切断術
加藤 紘之
1
,
田辺 達三
1
,
下沢 英二
1
,
児嶋 哲文
1
,
奥芝 俊一
1
,
中島 公博
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.89-92
発行日 1991年1月20日
Published Date 1991/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900358
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はじめに
この手術は著者1,2)が独自に工夫したものであり,他の手術3〜5)にも共通する手技が含まれているので詳しく述べる.考え方は,疼痛のペースメーカーである膵頭部を切除したうえで,残存する膵体尾部を原因とする疼痛の発現にも対処しようとするものである(図1).
膵頭部は鉤状突起を含めて乳頭部まで切除し,脾動静脈周囲の神経叢を完全に切断する.次に,残存膵を後腹膜から遊離し,脾摘のうえ胃小彎より引き出し,空腸脚を用いて再建する.
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