膵臓手術の要点—血管処理からみた術式の展開・9
急性膵炎の手術
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
児嶋 哲文
1
,
奥芝 俊一
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.337-339
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900395
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はじめに
急性膵炎の手術適応をめぐる議論は多い.原因が胆石症,副甲状腺機能亢進症などにある場合には,それらに対する治療が奏効する.しかし,アルコール性あるいは原因不明例が多く,また急激な経過をたどるものがあるため,一定の治療指針を立てるのはなかなか困難である.
最近では,Ransonの重症化クライテリアにCT所見を組み入れたフローチャートが組み立てられつつあり,膵周囲に液体の貯留が認められれば早期手術の適応とする考え方が広がっている.今後は,CT所見がアミラーゼ値をはじめとする生化学的検査結果とともに有用な指針となるものと思われる1〜3).
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