胆道手術の要点—血管処理からみた術式の展開・10
中下部胆管癌に対する胆道切除術
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
奥芝 俊一
1
,
中島 公博
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.481-483
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900077
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はじめに
中下部胆管癌の根治手術は膵頭十二指腸切除術が基本であり,膵癌と同様の郭清が必要である.しかし膵癌とはやや癌浸潤の方向性に違いがある.肝十二指腸間膜内神経叢あるいはリンパ節への浸潤・転移がより高率であり,その再発様式も肝門部の局所再発で始まる場合が多い1〜5).したがって,とくに中部胆管癌では肝門部切除術と同等の切除範囲を肝臓側に求め,なおかつ膵頭十二指腸切除術によって十二指腸側の浸潤・転移に対処する必要がある.しかし,すべての例に適応することはできず,年齢,肝予備機能,腫瘍の性質,拡がりによって以下に述べる各術式が適時選択される.
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