胆道手術の要点—血管処理からみた術式の展開・11
中下部胆管癌に対する膵頭十二指腸切除術—特に膵腸吻合法について
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
奥芝 俊一
1
,
中島 公博
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.484-487
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900078
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はじめに
膵頭十二指腸切除術の詳細は本シリーズの後半の膵癌の項で詳しく述べるが,中下部胆管癌の転移型式は神経叢浸潤,リンパ節転移ともNo.14, No.17,時にはNo.16にも認められることから膵頭十二指腸切除が標準手術といえる.しかし門脈合併切除を要する例は少ない.一方,肝門部については膵癌よりさらに肝臓側にまで切除郭清範囲を拡げるべきであり,胆道再建は左右肝管分岐部で行われることになる.再建術の中でもっとも注意を要するのは拡張のない正常分泌力をもつ残存膵と空腸の吻合なので,ここでは膵腸吻合について述べることにする.
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