特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
賢血管性血圧高症
外科から
岩井 武尚
1
1東京医科歯科大学第1外科
pp.1649-1653
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900294
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賢血管性高血圧症は,その原因から推察できるように若年者から高齢者までの幅広い年代に発症し,診断が確定すれば外科的治療をまず念頭に入れるべき疾患群と考えられる(表1).しかしながら,種々の事情,特に診断の遅れや経過観察という理由,またはハイリスクのために内科のみで治療が行われたり,経皮的血管拡張術(PTA)に治療方針を委ねて外科医の前に現われることのない症例も少なくないと思われる.
一方,外科医の側にも問題がないわけではない.手技的失敗,手術タイミングの遅れ,患者のfollow-upの悪さなどにより重篤な合併症の出現をみることもあり,われわれの側にも反省すべき点が依然残されている.したがって,この疾患は内科,外科,そしてPTAを行う放射線科と3科が絡んだ病気であることをよく認識するとともに,内科や放射線科の後始末をするのが外科でないことだけはきちんとさせておくことが大切であろう.
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