カラーグラフ Practice of Endoscopy
大腸内視鏡シリーズ・Ⅵ
末梢血管外科からみた腸血流—術中ドップラーと内視鏡粘膜所見との対比
桜沢 健一
1
,
岩井 武尚
1
,
佐藤 彰治
1
,
遠藤 光夫
1
1東京医科歯科大学医学部第1外科
pp.147-151
発行日 1992年2月20日
Published Date 1992/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900727
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はじめに
腹部大動脈瘤(AAA)や大動脈腸骨動脈領域の閉塞性動脈硬化症(AIOD)に対する血行再建手術では,骨盤内血行,ことに遠位結腸の血流を温存することが重要である.周術期管理の充実に伴い,これら手術の成績は向上しているが,術後の腸管虚血壊死は致命的となることも多く,依然としてその予防は大きな課題である.
図1はAIODに対し行った大動脈—両側大腿動脈バイパス術後に新鮮血下血を来した67歳,男性患者の大腸内視鏡所見である.浮腫状粘膜にpunch outされたような潰瘍が縦走している.この例はその後も下血が続き,結腸切除を要した.
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