特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
食道アカラシア
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幕内 博康
1
,
三富 利夫
1
1東海大学医学部外科
pp.1331-1333
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900213
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食道アカラシアは,中枢から末梢の壁在神経叢にいたる迷走神経の障害によって発生すると考えられている.このため,食道の運動機能のうえで最も重要な,蠕動運動と下部食道括約帯の嚥下性弛緩が障害され,嚥下障害が出現する.食道アカラシアの治療としては,保存的治療と手術的治療に大別され,保存的治療としては薬物療法と拡張術がある,良性疾患であるから保存的治療を原則とすべきであるが,それにも限界があり,どうしても手術の適応としなければならない症例もある.臨床経過,臨床所見,検査所見からみた保存的治療の適応を述べ,保存的治療の合併症とqualityof life,長期予後,さらには保存的治療の限界について言及したい.
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