Japanese
English
臨床研究
鈍的肝外傷99例の経験
Blunt hepatic trauma: A review of 99 consecutive patients
田島 知郎
1
,
猪口 貞樹
2
,
池田 正見
2
,
正津 晃
2
,
田中 豊
1
,
三富 利夫
1
Tomoo TAJIMA
1
1東海大学医学部外科学II
2東海大学医学部救急医学
pp.755-758
発行日 1990年6月20日
Published Date 1990/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900121
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はじめに
肝外傷は腹部外傷の中でもっとも頻度が高いもののひとつで,その治療成績は着実に向上傾向を示していたが,最近の報告1)によるとこのところやや頭打ちであるとされる.
今回,東海大学病院において過去13年間に経験した99例の鈍的肝外傷例を検討したところ,年次毎の症例数の増加,非手術例の比較的増加,治療成績の向上などの最近の傾向が明らかになった.また,治療成績の向上を阻んでいる因子として,他臓器の重症合併損傷と肝近接主要静脈損傷(juxtahepatic venous injury)のふたつの重要性が改めて認識された.若干の文献的考察を加えて,これら自験例の分析結果を報告する.
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