Japanese
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特集 腹部血管病変の診療
腹部消化器領域の動脈瘤—脾動脈瘤を中心に
Splanchnic artery aneurysms laying special emphasis on splenic artery aneurysm
田島 知郎
1
,
田中 豊
1
,
三富 利夫
1
,
岩田 美郎
2
,
松山 正也
2
Tomoo TAJIMA
1
1東海大学医学部外科
2東海大学放射線科
pp.559-565
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900091
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進歩の著しい画像診断の頻用により腹部消化器領域の動脈瘤はこれまで考えられてきたほど稀ではないことが示されつつある.疾患パターン欧米化の表れとしての血管性病変の増加傾向に加えて,腹部血管撮影所見の詳細な検討により,消化管縫合不全などによる腹腔内膿瘍,重症膵炎,門脈圧亢進症などのかなりの例でも動脈瘤が発見される.医原性のものでは,動脈撮影の合併症による瘤のほかに,経皮経肝胆道造影法の合併症としての肝内肝動脈枝の瘤も稀ではない.最近のこうした傾向について,41症例47病変の自験例の供覧と分析結果を文献的考察に加味しながら,脾動脈瘤を中心に記述する.なお,瘤が超音波検査で血液乱流を伴う腫瘤像としてリアルタイムに観察できることもあり,新たな知見といえよう.
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