特集 肝炎・肝硬変患者の消化器外科手術
[エディトリアル]肝炎・肝硬変患者の消化器外科手術
田島 知郎
1
,
田中 豊
1
,
三富 利夫
1
Tomoo TAJIMA
1
1東海大学医学部第2外科
pp.277-281
発行日 1996年3月20日
Published Date 1996/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902228
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はじめに
肝硬変患者の胆嚢摘出術がしばしば致命的な結果になるという警告がはっきりと発せられたのは,もう20年も前のことになるが1),この警告が十分に生かされてこなかったのではないか,という懸念がある.この特集では,肝炎・肝硬変合併症例の消化器・消化管手術に経験が多く,この方面に造詣の深い先生方に,手術成績をざっくばらんに披露していただき,周術期管理のポイントも併せてご教授いただくわけであるが,本稿では肝硬変患者が今も代表的な手術ハイリスク患者であることをまず確認し,不良な手術成績の可能性としての総論的要因にふれ,最近のSIRS〜MODSの概念とも関連させながら考えを進め,後半では肝炎感染防止における外科医の役割にもふれ,併せて提案をしてみたい.
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