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特集 新・外科感染症診療ハンドブック
各論
〔コラム〕直腸会陰創に対する陰圧閉鎖療法
Negative pressure wound therapy for perineal wound of rectal surgery
矢野 琢也
1,2
,
吉満 政義
1
,
中野 敢友
1
,
井谷 史嗣
1
,
岡島 正純
1
Takuya YANO
1,2
1広島市立広島市民病院外科
2広島市立北部医療センター安佐市民病院消化器外科
キーワード:
surgical site infection
,
陰圧閉鎖療法
,
会陰創
Keyword:
surgical site infection
,
陰圧閉鎖療法
,
会陰創
pp.1461-1464
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213979
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はじめに
下部直腸癌や肛門管癌などに対して腹会陰式直腸切断術(abdominoperineal resection:APR)が選択されるが,APR術後の会陰創感染は10〜60%の症例に認められるとされ,重要な課題である1〜3).感染に伴い骨盤内膿瘍,骨盤死腔炎が生じると,その治療は難渋して長期間の治療を要する.
本邦においても,手術部位感染(surgical site infection:SSI)のリスクの高い患者の縫合創に対して閉鎖環境を維持し,管理された陰圧を付加し滲出液を除去することで,SSIリスクを軽減することを目的とし,2021年に「予防的な」陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)が保険適用となったが,診療報酬の算定については留意事項があり適応が限定されているのが現状である.
APR術後の会陰創に対する陰圧閉鎖療法の使用経験について,文献的考察を加えて報告する.
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