投稿論文 症例
小耳症術後の軟骨露出創に対し局所陰圧閉鎖療法を用いて治療した1例
白 夏林
1
,
四ツ柳 高敏
,
大沼 眞廣
,
北田 文華
,
権田 綾子
,
須貝 明日香
,
山下 建
,
松井 瑞子
1札幌医科大学 形成外科
キーワード:
Citrobacter
,
腸内細菌科感染症
,
組織移植
,
耳軟骨
,
手術創感染
,
陰圧閉鎖療法
,
先天性小耳症
,
肋軟骨
,
耳形成術
Keyword:
Enterobacteriaceae Infections
,
Surgical Wound Infection
,
Tissue Transplantation
,
Ear Cartilage
,
Citrobacter
,
Congenital Microtia
,
Costal Cartilage
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.75-80
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021131242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
症例は10歳男児で、左小耳症を主訴とした。左耳垂残存型小耳症に対して肋軟骨移植による耳介形成術と耳介挙上術を行ったが、耳介挙上術後約6ヵ月時に挙上用の追加移植軟骨を固定しているワイヤーが耳介後面に露出し、同部位から滲出液を認めた。有意な感染は認めなかったが、ワイヤーと頭側の軟骨片を除去して一部開放創とし、残存する軟骨露出部断端に対して陰圧100mmHgで陰圧閉鎖療法(NPWT)を行った。その結果、比較的短期間で軟骨は肉芽で被覆された。創治癒後約1年以上経過したが、合併症なく良好な耳介形態が形成されており、耳介全体の聳立は比較的良好に維持されていた。耳介後面で耳介形態に影響せず、かつ周囲死腔を閉鎖できる有用な組織がない状況において、NPWTは低侵襲に短期間で治癒が得られる有効な手技の一つになると考えられた。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.