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特集 手術部位感染(SSI)アップデート
脊椎後方インストゥルメンテーション術後感染に対する局所陰圧閉鎖療法の使用経験
An Application of Negative Pressure Wound Therapy for Surgical Site Infection after Spinal Fixation Surgery
角谷 賢一朗
1
,
長谷川 泰子
2
Kenichiro KAKUTANI
1
,
Yasuko HASEGAWA
2
1神戸大学大学院整形外科脊椎外科学部門
2神戸大学形成外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊椎手術
,
spinal surgery
,
手術部位感染
,
surgical site infection
,
SSI
,
陰圧閉鎖療法
,
negative pressure wound therapy
,
NPWT
Keyword:
脊椎手術
,
spinal surgery
,
手術部位感染
,
surgical site infection
,
SSI
,
陰圧閉鎖療法
,
negative pressure wound therapy
,
NPWT
pp.449-454
発行日 2022年1月31日
Published Date 2022/1/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201665
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はじめに
高齢社会を迎え,わが国の脊椎手術件数は増加している.また,脊椎術後感染のハイリスクとされる高齢者や骨粗鬆症患者に対するインストゥルメンテーション手術が増加しており,結果的にsurgical site infection(SSI)も増加している.SSIは,追加手術や長期の抗菌薬投与を要し,患者の精神的・経済的な負担は非常に大きい.また,入院期間の長期化は病床運用上にも多大な影響を与える.しかしながら,SSIを撲滅することは不可能であり,可能な限り予防,軽症化,治療期間短縮のための努力が必要である.当院では,可及的早期のデブリードマンと長期の抗生剤投与によりインプラントを温存したSSI治療の有効性を報告しているが,近年増加しているlong fusion手術や放射線治療後の脊椎転移に対する手術後SSIなど,難治性のSSIも増加し,治療に難渋している症例も少なくない.当科では2013年より形成外科の全面的な協力のもと陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)を導入しており,難治性SSIに対してもインプラントを温存し治療している.本稿では,NPWTの原理,歴史に触れ,自験例を交えて脊椎手術SSIに対するNPWTの使用経験について述べる.
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