増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて
4章 術式別の縫合・吻合法
大腸
【大腸全摘除術】回腸囊-肛門吻合
松山 貴俊
1
,
絹笠 祐介
1
Takatoshi MATSUYAMA
1
1東京医科歯科大学消化管外科学分野
キーワード:
回腸囊
,
J-pouch
,
大腸全摘
,
肛門吻合
Keyword:
回腸囊
,
J-pouch
,
大腸全摘
,
肛門吻合
pp.216-219
発行日 2020年10月22日
Published Date 2020/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213148
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回腸囊-肛門吻合(ileal pouch anal anastomosis:IAA)は主に家族性大腸腺腫症や潰瘍性大腸炎に対して行われる大腸全摘除術後の再建法で,回腸と肛門を端端吻合した場合の術後排便機能,QOLの著しい低下の改善を目的に開発された.1978年にParksら1)が,初めてS型回腸囊肛門吻合を報告し,その後,1980年にUtsunomiyaら2)がJ型回腸囊を,Fonkalsrud3)がH型回腸囊を報告し,1985年にはNichollsら4)がW型回腸囊を報告した.この中でもJ型回腸囊は比較的簡便に作成でき,通過障害が少ないことから標準術式として広く使用されている.本稿では,当科で施行しているJ型回腸囊肛門吻合術について,安全・確実に吻合を行うための回腸囊作成と吻合のポイントについて述べる.
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