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特集 炎症性腸疾患―治療における最近の進歩
潰瘍性大腸炎の外科治療―回腸囊肛門吻合か回腸囊肛門管吻合か
Strategy for surgical treatment of ulcerative colitis:IAA vs.IACA
三木 誓雄
1
,
荒木 俊光
1
,
楠 正人
1
Chikao Miki
1
1三重大学医学部第2外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
手術
,
肛門管
,
排便障害
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
手術
,
肛門管
,
排便障害
pp.859-863
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100132
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要旨:潰瘍性大腸炎に対する手術術式には,根治性を求めるならばileal pouch-anal anastomosis(IAA)が,手術侵襲を軽減して肛門機能の温存を重視するならば回腸肛門管吻合術(IACA)が選択される.諸家の報告から両者の術後成績を比較すると,夜間の漏便に関して若干の差が認められる.この背景には,内肛門括約筋損傷に伴う肛門管のhigh pressure zone形成不全や粘膜切除に伴う便性状の知覚障害が存在すると考えられる.しかし,このことは反対に,IACAでより根治性を求めて低位で切除すると,内肛門括約筋の切除範囲も拡がり,排便障害の原因になることも示唆している.以上から,IAAの際に内肛門括約筋損傷を防ぐことが根治性とquality of life(QOL)を高いレベルで両立させるstrategyであると考えられる.
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