My Operation—私のノウ・ハウ
腹会陰式直腸切断術
寺本 龍生
1
,
小平 進
1
,
阿部 令彦
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.1025-1030
発行日 1986年6月20日
Published Date 1986/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209468
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
適応と手術
直腸および肛門部癌の手術は,1926年Milesにより腹会陰式直腸切断術1)が報告されて以来,安全な術式として確立されたが,さらに本邦では,1975年2)頃より,内腸骨動脈周囲,さらに側方の閉鎖神経周囲のリンパ節を郭清する拡大郭清が加えられ,良好な生存率が得られるようになつた.一方,拡大郭清にともなう術後の排便,排尿さらに性機能障害に対し,可及的に括約筋温存3)さらには,神経温存4)のための手術も増加しつつある.しかしながら肛門部癌や下部直腸癌で骨盤底筋群,肛門管に癌腫の浸潤の及ぶもの,および肛門側断端の十分とり得ないもの,リンパ節転移の広範な症例に対しては腹会陰式直腸切断術が適応となる.
本術式の要点
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.