Japanese
English
臨床報告
腸閉塞と腹部コンパートメント症候群をきたした巨大鼠径ヘルニアの1例
A case of a giant groin hernia accompanied with bowel obstruction and abdominal compartment symdrome
佐藤 拓
1,2
,
中村 典明
1
,
龍 喬子
1
,
森本 紘一朗
1
,
真田 貴弘
1
,
桑原 博
1
Taku SATO
1,2
1秀和総合病院外科
2埼玉医科大学総合医療センター消化管外科・一般外科
キーワード:
巨大鼠径ヘルニア
,
腸閉塞
,
腹部コンパートメント症候群
Keyword:
巨大鼠径ヘルニア
,
腸閉塞
,
腹部コンパートメント症候群
pp.990-994
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213030
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要旨
症例は77歳,男性.10年来,右鼠径部膨隆を自覚しており,腹部大動脈瘤フォローCTで右鼠径ヘルニアと診断されていた.CT上,ヘルニア内容は回盲部腸管で,ヘルニアは徐々に増悪し,3か月前には小腸拡張が始まっていたが,自覚症状はなかった.その後,頻回の水様下痢と発熱をきたして緊急入院し,まもなく排便停止となった.イレウス管治療無効の腸閉塞と診断し,初回手術として,ヘルニア内容腸管の腹腔内還納整復およびヘルニア修復術を施行した.術後に腹部コンパートメント症候群をきたし,腸閉塞も遷延したため,再手術として繭玉状に一塊となった回盲部を切除したところ,良好な経過をたどった.
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