増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
食道
食道アカラシア
竹村 雅至
1
,
瀧井 麻美子
1
,
大嶋 勉
1
,
田中 芳憲
1
,
藤尾 長久
1
Masashi TAKEMURA
1
1景岳会南大阪病院外科・内視鏡外科
pp.109-111
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212673
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食道アカラシアに対する治療は,内服治療・内視鏡的バルーン拡張術・開腹または腹腔鏡下筋層切開術・経口内視鏡的筋層切開術(Per oral endoscopic myotomy:POEM)があるが,最近ではPOEMが治療の主流になってきており,外科的治療を適応する症例は減少してきている1,2).しかし,外科的な筋層切開術が行われなくなったわけでは決してない.さらに,最近の外科的治療は腹腔鏡下に行われることが多く,開腹既往のある症例を除き開腹で行われることは非常に稀である.
どの症例に外科的治療を適応するかに関しての厳密な基準はないが,外科的な治療を適応する際には,①保存的治療が無効,②全身麻酔が可能な状態,③重篤な他臓器合併症がない,④アカラシアによる症状がある,などであるが,一方で外科的治療による様々な合併症の発症や,手術の結果によっては症状の改善に乏しい可能性や,術後に逆流性食道炎を生じることもあり,術前に十分説明をしたうえで適応するのは当然である.
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