特集 上部消化管手術におけるトラブルシューティング─困難症例・偶発症への対策
根治的化学放射線療法後の胸腔鏡下救済食道切除術─困難症例に輸攻墨守で挑む
石山 廣志朗
1
,
大幸 宏幸
1
,
藤井 雄介
1
,
兼松 恭平
1
,
栗田 大資
1
,
小熊 潤也
1
1国立がん研究センター中央病院食道外科
キーワード:
救済手術
,
胸腔鏡下食道切除
,
局所進行食道癌
Keyword:
救済手術
,
胸腔鏡下食道切除
,
局所進行食道癌
pp.1161-1168
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002294
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切除可能進行食道癌に対する標準治療は手術を中心とした集学的治療方法(術前補助療法+手術)であるが,耐術性がない,あるいは手術を希望しない人に対して,非手術療法を中心とした集学的治療法〔化学放射線療法(definitive chemoradiotherapy;dCRT)±救済治療〕が構築されている。わが国では術前補助化学療法と区別するため,50 Gy以上の放射線照射のあとの癌遺残や再発に対する治療を救済手術と定義している。さらに,切除不能局所進行食道癌(cT4b)に対し,導入化学(放射線)療法を行いcT4bが解除され,根治切除可能な状態となり手術に移行する(conversion surgery)治療方法が開発され,cT4bの予後の改善に期待が寄せられている。導入治療として化学放射線療法を行う場合もあり,その後に行う手術はコンバージョン手術であり救済手術でもある(図1)。
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