増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅰ 食道
根治的化学放射線療法後サルベージ手術
丸山 傑
1
,
岡村 明彦
1
,
蟹江 恭和
1
,
坂本 啓
1
,
栗山 健吾
1
,
金森 淳
1
,
今村 裕
1
,
渡邊 雅之
1
Suguru MARUYAMA
1
1がん研有明病院食道外科
キーワード:
食道扁平上皮癌
,
根治的化学放射線療法
,
サルベージ手術
Keyword:
食道扁平上皮癌
,
根治的化学放射線療法
,
サルベージ手術
pp.17-21
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213878
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦において食道癌のおもな組織型である食道扁平上皮癌に対する根治を目的とした化学放射線療法は,非外科的治療の中心的な役割を担っている.一方,根治的化学放射線療法後に遺残あるいは再発した症例の治療選択肢は限られており,切除が可能であれば外科的治療(サルベージ手術)がほぼ唯一の根治治療となり得る.しかしサルベージ手術については,縫合不全や肺炎などの術後合併症発生や死亡リスクの高い手術であることが報告されており1),慎重な判断が必要である.また長期予後については,治療前予測深達度T2以浅,根治的化学放射線療法後の再燃病変,R0切除などが予後良好な因子として報告されており2〜5),リスクとベネフィットを熟慮した適切な症例選択が必要であると考えられる.
本稿では,根治的化学放射線療法後のサルベージ手術を前提とした術前画像診断の実際について説明する.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.