増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅱ章 併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
呼吸器疾患
慢性閉塞性肺疾患
松谷 哲行
1
Noriyuki MATSUTANI
1
1帝京大学医学部附属溝口病院外科
pp.53-55
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212654
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術前評価
●慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生じる肺疾患であり,呼吸機能検査で気流閉塞を示す.気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に関与し起こる.臨床的には,徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を示すが,これらの症状に乏しいこともある」と,日本呼吸器学会で定義されている1).
●気管支拡張薬吸入後の呼吸機能検査(スパイロメトリー)で一秒率(FEV1.0/FVC)が70%未満であることでCOPDの診断となり,%FEV1.0の値で病期分類される(表1)1).
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