Japanese
English
講座 治療の最近の進歩(3)
慢性閉塞性肺疾患
Chronic Obstructive Lung Disease.
副島 林造
1
,
川根 博司
1
,
沖本 二郎
1
Rinzo Soejima
1
,
Hiroshi Kawane
1
,
Niro Okimoto
1
1川崎医科大学内科
1Division of Respiratory Diseases, Department of Medicine, Kawasaki Medical School.
キーワード:
薬物療法
,
吸入療法
,
酸素療法
,
リハビリテーション
Keyword:
薬物療法
,
吸入療法
,
酸素療法
,
リハビリテーション
pp.213-218
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105561
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COLD:chronic obstructive lung disease,またはCOPD:chronic obstructive pulmonary disease)という用語が用いられるようになってから,すでに20年以上が経過した.慢性閉塞性肺疾患は,「慢性,びまん性,不可逆性の気道閉塞性障害」をきたす疾患,すなわち,慢性気管支喘息,慢性気管支炎,慢性肺気腫を包括した症候群的概念である.そこで,できる限り原疾患名を用いるようにすべきであり,慢性閉塞性肺疾患という診断名はなるべく使用しないようにしようとの意見も出て久しいが,その名称の簡便性ゆえに臨床的には捨て難いものがある.昨年の第31回閉塞性肺疾患研究会(第51回肺気腫研究会)において発表されたアンケート調査結果をみても,回答者178名中150名が日常的に慢性閉塞性肺疾患(COLD,COPD)という表現を使っているとのことであった1).
現在,欧米では慢性閉塞性肺疾患といった場合は,通常気管支喘息を除いて論じられているが,わが国においては気管支喘息,慢性気管支炎,肺気腫およびびまん性汎細気管支炎(DPB:diffuse panbronchiolitis)を加えた4疾患を指すことが多い.これら4疾患は症状などに共通点はあるものの,各々の鑑別診断を行うことが肝要である.しかし本講座のテーマは治療の最近の進歩ということであり,これらの疾患は治療面においてかなりの共通点もあるので,治療については一緒に論ずることとした.
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