Japanese
English
臨床報告
続発性大網捻転症を合併した腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓に対する腹腔鏡下修復術の1例
A case of small bowel incarceration in an incisional hernia concomitant with omental torsion treated laparoscopirally
高橋 徹
1,2
,
松井 博紀
2
,
水上 達三
2
,
大畑 多嘉宣
2
,
橋本 卓
2
,
阿部 厚憲
2
Toru TAKAHASHI
1,2
1順天堂大学附属浦安病院消化器・一般外科
2北海道社会事業協会帯広病院外科
キーワード:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
大網捻転症
,
腹腔鏡手術
Keyword:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
大網捻転症
,
腹腔鏡手術
pp.1006-1011
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212577
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要旨
患者は87歳,女性.腹痛,嘔吐にて前医受診,腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓が疑われ当科紹介.下腹部手術痕に硬結を触知,CTで大網の脱出に付随したRichter型小腸の嵌頓を認めた.小腸が用手還納できたため,待機的腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した.
腹腔内を観察すると,大網が捻転しながらヘルニア囊先端に癒着していた.癒着剝離後,ヘルニア囊はスイスチーズ様に2個のヘルニア門を有していた.捻転大網を切除後,メッシュを4点支持しdouble crown法にて腹壁固定した.術後経過は良好で合併症なく退院した.大網捻転症を合併した腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡手術は,正確な診断と術後疼痛の軽減に有用な術式と思われた.
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