Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下に診断治療した金属性調理用ザルの破片による消化管穿孔の1例
Laparoscopic treatment for a perforation of the gastrointestinal tract by a broken piece of metallic basket: a case report
高橋 徹
1
,
松井 博紀
2
,
水上 達三
2
,
大畑 多嘉宣
2
,
橋本 卓
2
,
阿部 厚憲
2
Tohru TAKAHASHI
1
1石川県立中央病院消化器外科
2北海道社会事業協会帯広病院外科
キーワード:
異物誤飲
,
金属性ザル
,
単孔式腹腔鏡
Keyword:
異物誤飲
,
金属性ザル
,
単孔式腹腔鏡
pp.772-775
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212516
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要旨
症例は45歳,女性.1か月前から持続する左側腹部痛を主訴に受診,CTにて脾彎曲腸管外に線状高吸収域を認め魚骨穿孔が疑われた.腹痛は軽度でfree airもないため,待機的に審査腹腔鏡を施行した.臍部より単孔式で腹腔内を観察したが,異物や炎症所見を認めなかった.透視下で脾彎曲大網内に埋没した金属性異物を認めた.周囲膿瘍もなく可動性良好であったため,臍部より大網とともに摘出した.金属片は周期的な陥凹を有し網目構造の破片が考えられた.職場で使用中の破損した調理用ザルを確認したところ,同一の陥凹であった.健常成人で偶発的に金属性ザルの破片を誤飲し消化管穿孔をきたすことは稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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