Japanese
English
臨床報告
救命可能であった腹腔内膿瘍を伴うプロテインC欠乏症による門脈・上腸間膜静脈血栓症の1例
A case with portal and superior mesenteric vein thrombosis and an abdominal abscess caused by a reduction in protein C
大住 幸司
1
,
山本 聖一郎
1
,
筒井 麻衣
1
,
高野 公徳
1
,
金井 歳雄
1
,
中川 基人
1
Koji OSUMI
1
1平塚市民病院外科
キーワード:
プロテインC欠乏症
,
腸間膜膿瘍
,
門脈血栓症
,
上腸間膜静脈血栓症
,
血栓溶解療法
Keyword:
プロテインC欠乏症
,
腸間膜膿瘍
,
門脈血栓症
,
上腸間膜静脈血栓症
,
血栓溶解療法
pp.513-516
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212453
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要旨
61歳,男性.発熱,意識障害で救急搬送され,急性腎不全,高浸透圧性高血糖症候群,肝機能障害,敗血症と診断された.腹部単純CT検査で腹腔内膿瘍,門脈気腫を認め抗菌薬での加療を行った.腎機能改善後の造影CT検査で膿瘍の増悪,上腸間膜静脈から門脈に至る血栓を認めた.腸間膜膿瘍ドレナージ,膿瘍に接する虫垂切除,小腸部分切除,小腸人工肛門造設術とともに,肝円索から門脈内カテーテルを留置し,血栓吸引,溶解療法を行った.術後も血栓溶解療法を継続したが,門脈は完全閉塞した.血液検査でプロテインC活性の低下を認めた.腹腔内膿瘍を伴うプロテインC欠乏症による門脈・上腸間膜静脈血栓症は稀であり,経過を報告する.
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