Japanese
English
臨床報告
長期生存中の総肝動脈神経叢浸潤を伴った膵腺扁平上皮癌の1例
A long-term surviving case of adenosquamous carcinoma of the pancreas invading the nerve plexus of common hepatic artery
吉川 弘太
1
,
濵田 信男
1
,
九玉 輝明
1
,
本髙 浩徐
1
,
中村 登
1
,
末吉 和宣
2
Kota YOSHIKAWA
1
1鹿児島市立病院消化器外科
2鹿児島市立病院病理診断科
キーワード:
膵腺扁平上皮癌
,
長期生存
,
左胃動脈温存
,
腹腔動脈幹合併膵体尾部切除術
,
S-1
Keyword:
膵腺扁平上皮癌
,
長期生存
,
左胃動脈温存
,
腹腔動脈幹合併膵体尾部切除術
,
S-1
pp.517-522
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212454
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要旨
症例は69歳,男性.左背部の違和感を主訴に行われた精査で膵体部癌と診断された.腫瘍は脾動脈根部への浸潤が疑われたが,腹腔動脈幹への浸潤は認めず,先行分岐する左胃動脈は温存可能と判断し,左胃動脈を温存した腹腔動脈幹合併膵体尾部切除術を施行した.病理所見では浸潤性増殖を示す扁平上皮癌および管状腺癌が併存し,cytokeratin(CK)5/6が60%陽性であり,総肝動脈神経叢浸潤を伴う膵体部腺扁平上皮癌と診断され,R0切除であった.膵腺扁平上皮癌は比較的稀な組織型で,予後不良とされるが,R0切除と術後補助化学療法により長期無再発生存が得られている1例を経験したので報告する.
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