Japanese
English
特集 血管系病変と腹部消化器外科
上腸間膜静脈血栓症
Superior mesenteric venous thrombosis
石井 貴士
1
,
島田 長人
1
,
柴 忠明
1
Takashi ISHII
1
1東邦大学医学部第2外科
キーワード:
上腸間膜静脈血栓症
,
腸管壊死
,
血液凝固線溶系異常
Keyword:
上腸間膜静脈血栓症
,
腸管壊死
,
血液凝固線溶系異常
pp.1543-1547
発行日 1997年12月20日
Published Date 1997/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903050
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上腸間膜静脈血栓症(mesenteric venous thrombosis)は古くは腸間膜血管閉塞症と称された疾患群の1つで,動脈血栓症や塞栓症に比較して稀な疾患である.かつては原因不明例が多かったが,最近ではアンチトロンビンⅢ,プロテインC,プロテインSなどの欠損症や分子異常症などの先天性血液凝固線溶系異常が成因の1つとして注目されている.本症は早期診断が困難であり,急性腹症として開腹され,多くは小腸大量切除などの外科的治療を余儀なくされているのが現状である.近年,画像診断やinterventional radiologyの進歩により早期診断および治療が可能となりつつあるが,再発率も比較的高く,長期にわたる経過観察が必要となる.
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