Japanese
English
臨床報告
ストレス多血症に伴う上腸間膜静脈血栓症の1例
A case of mesenteric vein thrombosis caused by stress polycythemia
山岡 雄祐
1
,
池永 雅一
1
,
塚部 昌美
1
,
安井 昌義
1
,
宮崎 道彦
1
,
辻仲 利政
1
Yusuke YAMAOKA
1
1国立病院機構大阪医療センター外科
キーワード:
上腸間膜静脈血栓症
,
ストレス多血症
,
人工肛門
Keyword:
上腸間膜静脈血栓症
,
ストレス多血症
,
人工肛門
pp.1596-1600
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104406
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要旨
患者は61歳,男性.主訴は腹痛.赤血球数の増加と炎症反応の上昇を認め,CT検査で腹水貯留と小腸壁肥厚,腸間膜の脂肪織の濃度上昇を認めたため,緊急手術を行った.多量の血性腹水と腸管壊死があり,約85cmの小腸を切除して人工肛門を造設した.腸管壁近傍で動脈性出血と,腸間膜静脈内血栓を認めたため,上腸間膜静脈血栓症と診断した.血栓症の原因として先天性凝固異常,真性多血症などの骨髄増殖性疾患,門脈圧亢進症,悪性腫瘍などは否定的であった.脾腫や白血球数,血小板数の増加はなく,血清エリスロポエチン値が正常であったことから,ストレス多血症に伴う上腸間膜静脈血栓症と考えられた.
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