予防と臨床のはざまで
親友との別れ
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.341
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102724
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2月11日,研修医時代からの無二の親友が亡くなりました.私と同じ44歳,まだ若すぎる死でした.
1年数か月前の2011年の秋,トライアスロンで上位入賞も果たすような運動好きの彼は,ジョギングの最中に胸痛で倒れ,それが心タンポナーデの発症でした.原発性血管肉腫という極めてめずらしい悪性疾患に罹患した彼は,その後,脳,骨,肝臓,肺など全身に転移し,心臓や脳の手術,骨への放射線治療,化学療法などを行い,生死をさまよいました.文献検索をしても極めて情報は少なく,全剖検例の0.001~0.28%(岡本ら,日本心臓血管外科学会誌,2003)と極めて稀で,悪性の場合は予後は非常に悪く,6か月が診断後の平均余命とのことでした.
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