ひとやすみ・156
メスを持ち続ける理由
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.122
発行日 2017年10月22日
Published Date 2017/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211798
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- 文献概要
外科医の仕事は危険・きついとされ,外科医を志す研修医の減少が問題となっている.確かに外科医の道は他科と比較すると厳しいが,私が長い間外科医としてメスを持ち続けてきた理由を紹介したい.
私が大学を卒業した当時は現在のように医学が進んでいなかったこともあり,医療が細分化していなかった.さらには麻酔科医が少なかったため,外科医が麻酔をかけるのが一般的であった.また消化管造影検査は当然のこと内視鏡検査や血管造影検査などの診断,癌化学療法やターミナルケア,さらには救急外来もすべて外科医が担っていた.そのため外科医は超多忙で勤務も長時間に及んだが,当時はそれが当然であり,逆に活動分野が広範囲に及ぶことが外科医の誇りでもあった.
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