増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス
8 乳腺
腋窩の手術
森園 亜里紗
1
,
多田 敬一郎
1
Arisa MORIZONO
1
1東京大学医学部附属病院乳腺内分泌外科
pp.338-343
発行日 2017年10月22日
Published Date 2017/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211833
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センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節の手技については確立した方法はなく,施設あるいは術者によって異なっているのが現状である.センチネルリンパ節の同定に用いられるトレーサーは,大きく分けて色素法とラジオアイソトープ(RI)法があり,それぞれの単独法あるいは併用法が用いられている.併用法が色素法単独に比べ優れているとの報告1)や,同等であるとの報告があり2),ガイドラインでは「併用法を推奨するが色素法単独も十分許容できる」としている3).使用する放射性核種や色素,注入部位は様々である.乳房のリンパ流は乳房内の小葉間リンパから発生し,そのリンパ管は乳頭へ向かい乳頭下リンパ管叢にいったん収束する.その後,真皮内・皮下を走行するリンパ管が主に腋窩に流入し,一部では胸骨傍リンパ節に還流する4).そのため注入部位は乳輪,腫瘍直上皮膚,腫瘍周囲など様々である.
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