特集 介護支援専門員の守備範囲―困難事例への対応を考える
私がケアマネを続けている理由―専任ケアマネのつぶやき
佐藤 ゆかり
1
1株式会社ニチイ学館アイリスケアセンター鈴蘭台
pp.522-526
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100533
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はじめに
私は,全国規模で介護事業を展開しているニチイ学館に勤務しています。ニチイ学館は,医療機関経営の支援を目的とした「医療関連事業」,在宅介護サービスを中心とした「ヘルスケア事業」,医療事務やホームヘルパー(1・2級)の養成を行なう「教育事業」の3つを事業の柱としています。本社を拠点として全国に11支社,99支店,19営業所を有し,居宅介護支援事業所は520か所,訪問介護・訪問入浴をあわせて672か所,通所介護は184か所,福祉用具貸与事業164か所等を展開しています。
私の所属しているアイリスケアセンター鈴蘭台は,神戸支店が管轄する23拠点の1つで,訪問介護と居宅介護支援を併設し,2000(平成12)年4月に開設した事業所です。
介護保険制度における介護支援専門員(ケアマネジャー,以下「ケアマネ」と略)の業務の中で,最も重要なケアマネジメント業務を圧迫し,ケアマネを悩ませているものに事務的作業があります。しかしニチイ学館では,2003(平成15)年度の介護報酬の改定にあわせて,経過記録用紙やモニタリング用紙などの必要な書類の作成や,パソコンソフトのバージョンアップなどの対応を全社的に行なったため,ケアマネジメント業務を早期に軌道に乗せることができました。また,事務作業時間の短縮にともない,ケアマネジメントに多くの時間を費やすことができるようになりました。このように時代を先読みした前向きな事業展開をするニチイ学館は,私の職業観と一致するところでもあり,やりがいのある,働きやすい職場という意味では,私がケアマネを続けていくことのできる理由の1つと言えるでしょう。
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