ひとやすみ・153
学会・論文発表の勧め
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.928
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211695
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- 文献概要
手術を託してくれた患者に対する外科医の責務としては,最善の治療を行うとともに,診療で知り得た情報を報告して医学の進歩に貢献することである.そして常に発表し続ける姿勢が,優れた外科医を育成する.しかしながら日々の診療が忙しいと,学会報告や論文作成をする時間がないとぼやきがちになる.逆に余裕がありすぎると,発表すべき症例がないと嘆きがちになる.
私が長年勤めた病院は,当初は手術症例が少なく暇であった.そこで自ら超音波検査や内視鏡検査を積極的に行い,手術症例を集めた.また,当時は消化器内科医が手を出さなかった,吻合部狭窄に対する内視鏡的拡張術や内視鏡的胃瘻造設術などの内視鏡的治療を行った.そして消化器内視鏡学会などで発表することにより,他施設の消化器内科医と懇意になり,紹介患者を増やした.
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