昨日の患者
献血に協力する理由
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.941
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211698
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少子高齢社会を迎え,献血者の減少が顕著である.そこで献血者を増やすべく,官公庁,企業,学校,諸団体などに献血を働きかけているが反応は乏しい.しかし,さる団体から献血協力への有り難い申し出を受け,早速訪問した.そして団体の長から,理由を聴くことができた.
「私の弟の名前は衆作です.母親が弟の妊娠中に倦怠感を訴え,病院を受診すると再生不良性貧血と診断されました.そして,産科医からは出産時の大出血を危惧して,妊娠中絶を勧められたそうです.しかし,母親は身ごもった子供の命を絶つことにはどうしても納得できずに,危険を顧みずに出産することを決意しました」と,語った.
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