看護教育の方法と課題 教育現場での悩みを解決するために・10
自学の勧め
沼野 一男
1
1玉川大学
pp.258-264
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908092
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学校教育の制約
看護教育の教師や指導者に限ることではないが,一般に教師や指導者の陥りやすい過ちの1つは,教え過ぎることである.授業や指導の場で自分が触れておかなければ,学生はこのことを学ばないであろう.意識するかしないかの別はあるにしても,多くの教師や指導者にはこういう思い込みがある.そしてこういう思い込みが教え過ぎるという過ちを生むことになるのである.
しかし,少し子供を知っている人なら,彼等が歌手や野球の選手について驚くほどの記憶力や学ぶ能力を持っていることに気づいているに違いない.単に記憶力という意味での学ぶ能力だけではない.虚心に子供を眺めることのできる人ならだれでも,子供たちが趣味や遊びに見せる創意や工夫の素晴らしさを知っているはずである.
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