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「二刀流」とは,Wikipediaによると「両手(右手と左手)にそれぞれ刀もしくは剣を持って,攻守を行う技術の総称.二刀剣法とも呼ばれる.また,左右両方の手それぞれが,武器を扱うことから,2つの異なる手段をもって事にあたること,あるいは同時に2つのことを行うことなどを意味するようにもなった」とある.「二刀流」の使われ方には本来の剣法での用いられ方の他に「酒と甘味の両方を好む人」「野球の左右打ち(スイッチヒッター)」などいろいろあるが,ここでは私の専門である脳血管障害の外科的治療における直達手術と血管内治療の両者,特に脳動脈瘤の治療としてのクリッピングとコイル塞栓術を行う脳神経外科医を意味することにする.
私が脳神経外科医になった1970年代の後半には,わが国では脳動脈瘤の治療としての血管内治療の出番はほとんどなかった.私は卒後5~6年目に当時美原記念病院で脳血管障害の外科的治療を精力的に行っていた水上公宏先生にトレーニングを受ける機会を得たが,その時脳神経外科の直達手術のトレーニングとともに血管内治療を始めるきっかけがあり,1982年に筑波大学に戻ってからもバルーンカテーテルを用いた脳動静脈奇形に対するfeeder occlusionや悪性脳腫瘍に対する超選択的動注化学療法などを独自に行っていた.1988年にはマイクロカテーテルが使えるようになり,1993年にIDCコイル(GDCコイルが保険償還された1997年までの間に使われた,初期型機械式離脱型コイル)が出てからは,脳動脈瘤に対しても直達手術が困難な例に積極的に血管内治療を行った.1997年にはGDCコイル(IDCコイルに比較すると格段に安全容易に使用可能な電気的離脱型コイル)が保険償還され,2002年のISATの結果などもあり,ご存知のとおりコイル塞栓術が脳動脈瘤の根治術の1つとして認知され,その治療件数は年々増加している.
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