Japanese
English
臨床報告
診断に苦慮した膀胱癌術後再発による直腸輪状狭窄の1例
A case of a difficult diagnosis of an annular stricture of the rectum which developed due to postoperative recurrence of bladder cancer
松村 真樹
1
,
吉松 和彦
1
,
横溝 肇
1
,
中山 真緒
1
,
佐竹 昌也
1
,
成高 義彦
1
Kazuhiko YOSHIMATSU
1
1東京女子医科大学東医療センター外科
キーワード:
直腸狭窄
,
輪状狭窄
,
膀胱癌直腸転移
Keyword:
直腸狭窄
,
輪状狭窄
,
膀胱癌直腸転移
pp.228-231
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211525
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要旨
症例は71歳,男性.便秘・肛門痛が出現し,他院で大腸内視鏡検査を施行した.下部直腸に全周性の狭窄を認めたが粘膜は正常で,スコープは通過可能であった.CT検査では直腸壁の肥厚のみを認めた.その3か月後,腹部膨満が出現し,S状結腸から上行結腸までの著明な拡張と鏡面形成像を認め入院となった.再度のCT検査では直腸壁に造影効果を伴う全周性の肥厚を認め,大腸内視鏡検査では下部直腸に発赤,不整粘膜を認め,全周性の強い狭窄によりスコープは通過困難であった.生検はmicropapillary carcinomaで,免疫組織染色ではCdX2,CEAが陰性,CK7,CK20が陽性で膀胱癌の直腸転移と診断した.横行結腸に人工肛門を造設後,泌尿器科へ転科した.GC療法を4コース行ったが,術後7か月で死亡した.稀な転移形式で診断に苦慮した膀胱癌術後再発による直腸輪状狭窄の1例を経験したので報告した.
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