Japanese
English
臨床報告
S-1長期投与を含む集学的治療により長期生存を得ている再発乳癌の1例
A Case of recurrent breast cancer with long-term survival with combined modality therapy including S-1
久保 秀文
1
,
木村 祐太
1
,
河岡 徹
1
,
長島 由紀子
2
,
山本 滋
3
,
永野 浩昭
3
Hidefumi KUBO
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院外科
2独立行政法人地域医療機能推進機構下関医療センター
3山口大学医学部腫瘍・消化器外科講座
キーワード:
再発乳癌
,
S-1
,
長期生存
Keyword:
再発乳癌
,
S-1
,
長期生存
pp.232-236
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211526
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要旨
症例は60歳代,女性.左乳癌でBt+Axが施行され6年後に多発肺転移が認められた.パクリタキセル,カペシタビン,ドセタキセル,EC(エピルビシン,シクロホスファミド)治療が順次なされたが効果不良で,S-1を80 mg/m2/day(分2)×2週間,休薬1週間で投与開始された.肺転移は縮小し,以後3〜4コース投与後1〜2か月休薬として継続された.その後,少しずつ肺転移増大が認められたが,本人の希望でS-1投与が継続された.その後,脳転移が出現し転移巣切除が追加された.現在,S-1投与より8年以上経過するが,全身状態良好でS-1投与継続中である.肺転移に対しては緩徐な増大はあるものの,脳転移の再発はない.本例ではS-1の長期有効性と安全性が示された.
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