Japanese
English
臨床報告
腸回転異常を伴った右傍十二指腸ヘルニアによる絞扼性イレウスの1例
A case of strangulated ileus due to a right paraduodenal hernia with intestinal malrotation
宮坂 衛
1,2
,
大高 和人
1
,
東海林 安人
1
,
市村 龍之助
1
,
仙丸 直人
1
,
野路 武寛
2
Mamoru MIYASAKA
1,2
1製鉄記念室蘭病院外科・呼吸器外科
2北海道大学医学研究科消化器外科Ⅱ
キーワード:
傍十二指腸ヘルニア
,
腸回転異常
,
イレウス
Keyword:
傍十二指腸ヘルニア
,
腸回転異常
,
イレウス
pp.101-105
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211492
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要旨
症例は60歳代,男性.心窩部痛で救急外来へ搬送された.腹部CT検査にて小腸が囊状に集簇し,腸管壁の造影効果は減弱していた.内ヘルニアによる絞扼性イレウスを疑い,緊急手術を施行した.術中所見では,上行結腸間膜背側のヘルニア門に小腸が嵌頓していた.腸回転異常症を伴った右傍十二指腸ヘルニアへの小腸嵌頓と診断した.嵌頓小腸の切除とヘルニア門の開放を行った.右傍十二指腸ヘルニアは先天的な腸回転異常を背景に発症する内ヘルニアの一つであり,比較的稀な疾患である.発症契機として絞扼性イレウスをきたし,腸管切除が必要になることもある.早期診断・手術のためには,特徴的な腹部CT画像所見を認識することが重要である.
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