Japanese
English
臨床報告
乳房に発生した多形型脂肪肉腫の1例
A pleomorphic liposarcoma of the breast:report of a rare case
後藤 康友
1
,
浅井 真理子
1
,
湯浅 典博
1
,
宮田 完志
1
,
藤野 雅彦
2
Yasutomo GOTO
1
1名古屋第一赤十字病院乳腺・内分泌外科
2名古屋第一赤十字病院細胞診分子病理診断部
キーワード:
乳房肉腫
,
脂肪肉腫
,
多形型
Keyword:
乳房肉腫
,
脂肪肉腫
,
多形型
pp.77-80
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211486
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要旨
症例は52歳,女性.2年前より右乳房の腫瘤を自覚していたが放置していた.来院時,右乳房全体を占める18×13 cmの分葉状の弾性硬の腫瘤を認め,皮膚には潰瘍が多発していた.生検で悪性腫瘍が示唆されたが,CTでは遠隔転移を示す所見を認めなかった.以上より,右乳房に限局した巨大悪性腫瘍の診断で右乳房切除術,分層皮膚移植術を施行した.病理組織学的には紡錐形細胞,多核で多形性に富む大型異型細胞,多空胞状の脂肪芽細胞が混在し増生していた.免疫染色ではp16およびCDK4が一部陽性で,FISHによるMDM2遺伝子の増幅を認めなかったため多形型脂肪肉腫と診断された.術後5か月で肝転移が出現したが,2年経過した現在,担癌生存中である.
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