Japanese
English
臨床報告
皮下結節性脂肪壊死を契機に発見された膵癌の1例
A case of pancreatic carcinoma which presented with subcutaneous nodular fat necrosis
坂部 龍太郎
1
,
倉岡 憲正
1
,
長谷 諭
1
,
田原 浩
1
,
布袋 裕士
1
,
前田 佳之
1
Ryutaro SAKABE
1
1呉共済病院外科
キーワード:
皮下結節性脂肪壊死
,
膵癌
Keyword:
皮下結節性脂肪壊死
,
膵癌
pp.1429-1432
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211430
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要旨
患者は76歳,男性.両側下腿の有痛性皮下結節を主訴に当院を受診した.血液検査にて炎症反応,膵酵素,腫瘍マーカーの上昇を認めた.皮下結節生検組織検査にて脂肪細胞の変性,融解,壊死を認めた.腹部造影CT検査にて膵体部に2 cm程度の造影効果の乏しい腫瘤を認め,尾側膵管は拡張していた.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診では上皮性悪性腫瘍が疑われた.皮下結節性脂肪壊死を伴う膵癌と診断し,膵体尾部切除,脾合併切除,D2リンパ節郭清を施行した.病理組織学的検査にて浸潤性膵管癌と診断された.術後,皮下結節は消失し,膵酵素は低下した.下肢の有痛性皮下結節をみたときは,本症を念頭に置いて膵疾患の検索を行うことが重要であると考えられた.
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